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 企業向けオンラインストレージサービスに、ITベンダー各社が続々と参入している。セールスフォース・ドットコムやNTTドコモ、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)などが、相次いで新サービスを発表した()。

表●日本国内で直近3カ月間に発表された主な法人向けオンラインストレージサービス
表●日本国内で直近3カ月間に発表された主な法人向けオンラインストレージサービス
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 各社の目線の先にあるのは、米ドロップボックスの「Dropbox」をはじめとするコンシューマー向けオンラインストレージの活況。ビジネスシーンにおいても利用が広がっており、セキュリティ上、システム部門は無視できない状態になりつつある。これを商機と捉え、攻勢に出た格好だ。

 本家のドロップボックスも企業向けサービスを提供しているが、後発ベンダーはユーザー管理のきめ細かさや暗号化といったセキュリティの高さを“ウリ”にしている。「メールの次はファイルサーバーをクラウド化したいというユーザー企業が増えている」と、CTCの松本渉情報通信事業企画室企画開発部課長は商機を語る。

 例えば、NTTドコモが2013年9月に提供を開始した「ビジネスプラス」では、ファイルデータを自動的に暗号化し、複数のクラウドサービス上に分散して保管することでセキュリティを高めている。利用できるIPアドレスを制限するといった機能も備える。同サービスでは、グループウエアなどの機能も同時に提供する。オンラインストレージとしては、キングソフトの「KDrive for Business」を採用した。

 CTCやマクニカネットワークスは、米ボックスのオンラインストレージ「Box for Business」と「Box for Enterprise」を8月から販売している。全世界で18万社が利用している同サービスは、アクセス可能な日時や処理内容など約100種類の管理項目を備えている点が特徴だ。

 クラウド大手のセールスフォース・ドットコムも、オンラインストレージ市場に攻め入る。同社は9月9日に新しいオンラインストレージサービス「SalesforceFiles」を発表、2014年2月にも正式にサービスを開始する。

 同サービスの特徴は、クラウドサービス「Salesforce.com」で管理する商談情報などとファイルを関連付けたり、他のオンラインストレージサービスと連携したりできる点。オンラインストレージだけを切り出して提供する計画は現時点でないが、「既存サービスの付加価値を高めるために(オンラインストレージが)必要だった」(榎隆司執行役員)。

 調査会社のITRによると、日本国内のオンラインファイル共有サービス市場は2017年に105億円に達する見通し(2012年実績は35億円)。今後も様々なITベンダーによる参入が見込まれ、シェア争いが激しさを増しそうだ。