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 2013年に伊藤忠商事と共同で米IT大手のシンガポールとマレーシアの子会社を9000万ドルで買収、2012年にはタイの中堅ITに出資するなどASEAN地域で積極的な拡大策を採る伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)。藁科至徳取締役兼専務執行役員は、「インフラ分野においてASEANで1番のIT企業を目指す」と、力を込める。

(聞き手は岡部 一詩=日経コンピュータ)


アジアにおける戦略は。

写真●伊藤忠テクノソリューションズ 取締役兼専務執行役員の藁科至?氏
写真●伊藤忠テクノソリューションズ 取締役兼専務執行役員の藁科至徳氏
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 当社が得意とするITインフラソリューションを、アジアにおいても売り込む。マルチベンダー製品に対応できる強みを生かしつつ、ITインフラの構築、保守に注力する。ITインフラにおけるSIerとして、ASEANでナンバーワンのIT企業を目指している。

 アプリケーション寄りのサービスを提供している日系IT企業は多いが、生き残るのは簡単ではない。理由は二つある。まず、一つひとつの領域が狭く多岐に渡ること。例えば、一口に製造業向けアプリケーションといっても機能は多種多様だ。もう一つは、グローバル共通で販売しにくいこと。地域によって需要が大きく異なるからだ。

 その点、ITインフラの領域はアジアで売りやすい。ITインフラのSIerという存在もそんなにはおらず、競合も少ない。今後はアプリケーションを開発する日系SIerと協業し、営業をかけるなどといった連携もあるかもしれない。

米IT大手のASEAN子会社を買収した。

 米IT大手「Computer Sciences Corporation(CSC)」のシンガポール及びマレーシア子会社を伊藤忠商事と共同で買収し、2013年3月に子会社化した。

 買収した2社はITインフラに強い。ただし、保守サービスはまだまだ十分とは言えない。当社のノウハウをどれだけ移転できるかが、今後のカギになるだろう。

 2012年には、タイの中堅IT「Netband Consulting」に出資した。同社はPC販売が主だったが、現在はサーバーやネットワーク機器の販売にシフトし、売上高も増加している。

積極的な海外進出の理由は。

 日本に閉じこもっていては、国内のシェアすら奪われてしまうという危機感からだ。日本の顧客の中にも、海外に進出する企業は多い。海外でもサービスを提供できる体制を築けなければ、既存顧客まで失いかねない。

 3年前に社内でアンケートを採ったところ、グローバル化を進めなければ、将来的に売上高が減ってしまうと考える社員は多かった。

今後、力を入れていく商材は。

 仮想デスクトップ(VDI)だ。近い将来、大波が来るのではないかと期待している。アジアの現地企業においても、1000台規模のシンクライアント端末を導入するといった案件が出始めており、本格化してきている。