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 中国の大手IT企業である「北大方正集団」は、1996年に日本に拠点「方正」を設立して以来、新聞社や出版、流通業向けのITサービスを提供している。“日本”というアジア市場に進出している同社の管祥紅代表取締役社長に、海外ビジネスにおける要諦を聞いた。

(聞き手は岡部 一詩=日経コンピュータ)


海外でビジネスをする際に重要なことは何か。

写真●方正 代表取締役社長の管祥紅氏
写真●方正 代表取締役社長の管祥紅氏
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 コアコンピタンスに集中することと現地化を進めること、この二つが大切だ。どちらも時間がかかる作業であり、忍耐強く進めなければならない。

 コアコンピタンスを作り上げるには、事業の選択と集中が欠かせない。当社はこの3~4年で、12の事業を5つにまで整理した。なんでもやりたがる企業は上手くいかない。事業を広げすぎると、経営層が把握し切れない部分が出てくる。それがボトルネックになってしまうからだ。

 事業を手広くやりたがるのは、日本の企業も中国企業も同じだ。ただし、もし私が複雑かつ広い事業を管轄しろと言われたとしたら、それを拒否するだろう。

 現地化で成功しているのは、米国企業だ。元々多様性に溢れた国であることが一因かもしれない。一方で日本企業は、どちらかというと自社でやることにこだわる傾向がある。自分たちでコントロールできないと不安だという気持ちがあるようだ。ただし、現地の人材を活用することが、グローバル化には欠かせない要素だと考えている。

日立製作所とクラウド事業などで提携した。

 当社の親会社である北大方正集団と、その子会社の方正国際軟件は、クラウド事業で日立と同じ方向性を見い出すことができた。同社のクラウド基盤技術は安定しており、信頼性が高い。

 基盤技術だけでなく、日立が提供する企業間電子取引のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)「TWX-21」も先進的なサービスだ。同様のサービスは、今のところ中国では存在しない。

 一方、方正のブランドは中国で広く浸透しており、医療向けなどをはじめとして多くのソフトウエアを持っている。中国でクラウドサービスを展開するには、これらが生きてくるはずだ。

中国で展開するクラウドサービスの状況は。

 プライベートクラウドに関しては、地方政府も活用している。ただし、パブリッククラウドはまだ広がり切っていないのが現状だ。

 アメリカ政府がクラウドサービスを監視しているという一連の報道も、ネガティブなインパクトを与えてしまった。パブリッククラウドを提供するには、信頼が大前提となる。

 それでも、パブリッククラウドには合理性がある。長期的には普及していくはずだ。

日本市場における展望は。

 事業の絞り込みを継続して進めていく。現在、5つの事業に集中するようにしたが、実は3~4事業にまで絞り込みたいくらいだ。

 中長期的な人材育成にも取り組む。さらに、有力企業との提携を探っていくつもりだ。