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 これまで2週にわたり、米国企業のマーケティング活動の内製化が、デジタル領域を中心に加速している現状を述べてきた。一方で内製化に伴い、マーケター(マーケティング活動にかかわる戦略立案者)に求められるスキルセットが、従来のそれとは大きく変わりつつあるという事実も無視できなくなっている。

 実際「デジタル」の要素が企業のマーケティング活動で重要な位置を占めようとしている今、マーケターが果たすべき役割は増加の一途をたどっている。これらの役割をきちんとこなすには、相応のスキルや知識が欠かせない。

 例えば2011年にフォレスター・リサーチとハイドリック・アンド・ストラグルズが共同で実施した「The Evolved CMO(進化するCMO)」と題された調査によると、126社のCMO(Chief Marketing Officer)あるいはそれに相当する(職位の高い)マーケターの75%以上が、「マーケティング・テクノロジーの導入や使用を判断する際、マーケティング部門が主体的にかかわるべき」と回答している。

 以前は、企業で基本的に「テクノロジー」と名が付くものについて、その導入や使用を精査する時点の主役は「情報システム部門」であったし、それが半ば当たり前といえる構図だった。ところが、企業のマーケティング活動でも「デジタル」という要素が重要な位置を占めつつある中、そしてそれに対するソリューションやツールが数多く登場してくる中、その構図はもはや崩れているといってよいだろう。特に、これらのソリューションやツールが「クラウド」によって提供されるようになってから、その流れは大きく加速している。

 これはマーケティング部門からすると、非常によい状況になったといえるかもしれない。少なくとも自分たちの判断で、自分たちが実際に現場で活用したいツールを導入できる環境が整ってきた。これまでは、上層部での稟議のほかに、情報システム部門を説得するというプロセスが不可欠だった。しかしそれらが大幅に軽減されるのは、(マーケティング部門には)大きなメリットとして感じられるだろう。

 ただしマーケティング部門の人間が誤解してはいけないポイントが1つある。それは自分たちが現場で活用するツールを自分たちの判断で導入することは、自分たちに責任が生じることを意味しているのだ。こういった責任をきちんと負うには、当然マーケティング部門が技術的な側面、特にセキュリティやコンプライアンスにかかわるところで、正しい知識を身に付けておく必要がある。