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 新しい会社組織や個人の仕事のやり方を考える上での構造的な環境変化――。今回取り上げるのは「作り手から使い手への視点の転換」です。ITを始め、技術的に新規性の高い製品やサービスは、市場を技術が主導します。ところが次第にその革新的技術が成熟化するにつれて、市場は使い手であるユーザー主導にシフトすべきであるにも関わらず、提供者側は往々にして作り手主導であった意識から抜けられません。

 IT業界で言えば、システム構築のビジネスモデルにその構図が見られます。構築するのに携わった人の作業時間である「人工」で課金するモデルは、クラウド時代には大きく転換を迫られます。

市場の成熟化とともに視点は「作り手」から「使い手」へ

 大抵の場合、イノベーションは何らかの技術的なブレークスルーによって起こります。そのため、革新的な製品やサービスは技術が市場を主導します。ところが技術が成熟化し、どこも似通ったものになってくると、差別化ポイントは、いかにユーザーの使い道に合った提供の仕方ができるかに移っていきます。

 ITの世界で言えば、いかに高性能や高機能のサーバーやアプリケーションを導入できるかという視点から、同じサーバーやアプリケーションを使っていかに業務にフィットした使い方ができるようになるか、ということがユーザー企業にとっての差別化ポイントになっていくということです。

 そうなれば、ITの構築に関しての重要な視点も「どんな最新技術を導入できるか」という提供者側の視点ではなく、「いかにそれを自分達に合わせて使いこなせるか」という使い手側の視点が重要になってきます。

 クラウド化の流れもこれに拍車をかけます。システムがクラウド化されるということは、設備に関しては(パブリッククラウドの場合)、文字通り皆同じシステムを使うようになっていくことを意味します。他社との違いはまさに使いこなし方、つまり各々が異なるユーザー側のユースケースをどこまでITが最適化できるかに経営の成否がかかってきます。