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 2013年に入り、日本のIFRS(国際会計基準)導入に向けた動きが再び加速しはじめている。この連載では、日本におけるIFRSの流れを整理した上で、今後どのような方向に向かうのか、企業はどのように対応していくべきなのかを解説している。

 前回(IFRSにまつわる日本国内の動向振り返りと今後の方向性)は、日本におけるIFRSの動向を振り返り、日本企業にとっての企業会計制度の今後を踏まえた上で、各社がどのように行動するべきなのかを総論として述べた。

 今回は前回の内容を踏まえ、どの企業がどのような理由でIFRS適用を決定しているのかを整理し、これからIFRS適用の可否を意思決定する企業にとっての判断材料や、適用を決めてからのアプローチを探っていく。

相当数の企業がIFRS適用に動く可能性

 自由民主党は2013年6月に「国際会計基準への対応についての提言」を公表した。その中では、2008年のG20ワシントン・サミットの首脳宣言における「単一で高品質な国際基準」を策定するという目標に、わが国がコミットしていることを改めて国際社会に明言するべきと主張している。

 その上で、日本の各企業、特に国際的に事業を展開する企業や外国人株主が多く存在する企業に対して、自主的かつ積極的にIFRSを適用することを求めている。そのような企業が「2016年末までに300社程度」存在するという目標を提言している。

 現状はどうか。東京証券取引所が公表するIFRS適用済み企業は16社、適用予定企業は5社(2013年10月時点)。一方、会社四季報(東洋経済新報社)によると、IFRS適用済み・適用予定・適用検討中の企業は163社、適用時期未定の企業は約1400社である(同年3月時点)。

 自民党の提言する目標を達成できるかどうか、現時点では断言できない。それでも上記の163社に含まれない「隠れIFRS適用企業」を含めて、相当数の企業がIFRS適用に動く可能性を秘めている。

 このような現状のもと、既にIFRSの適用を決めた企業は、どのような理由で採用したのだろうか。