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 新しい会社組織や個人の仕事のやり方を考えてきたこの連載は、今回で一区切りになります。これまでのポイントを整理することで、今後の仕事や働き方を考える指針を「7カ条」としてまとめました。皆さんに今後を考えるうえでの羅針盤としていただければと思います。

“老化”に対処するための7カ条

 1つの組織は必ず“老化”していき、特に規模の拡大とともに、いわゆる「大企業病」が蔓延することで、創造性や効率性が削がれていきます。

 これは特定の経営者や従業員が悪いというよりは、全ての組織の宿命ともいえるものです。老化した組織では、個人の能力を活かして優れたパフォーマンスを上げていくことが難しくなります。

 これに対して、以下のようなフレームワークで、短期、中期、長期で対策していくことが望ましいと考えられます。

(大前提)理解して受け入れよ

 1つの組織が不可逆プロセスとして老化していくのは不可避のことです。そこで、これを前提として、組織の運営を考えるということです。

 特に規模の拡大による「大企業病」の諸症状は、組織の拡大とともに必ず発生します。具体例としては「手段の目的化による、報告のための報告のような非効率な会議の増加」「組織化による創造性の喪失」「過度の組織分化によるセクショナリズムの進行」「リスク回避傾向による前例主義や減点主義の進行」などが挙げられます。

(短期的施策)対症療法その1:「老眼鏡」で見よ

 人間の老化では、老眼の進行で近くが見えにくくなっていきます。ところが会社の老化では逆に、「遠く」が見えにくくなって、分かりやすい「近く」のことばかりが論じられるようになります。

 読みにくい未来のことよりも、明確に語れる過去の成功や失敗事例ばかりが論じられ、会社全体よりも自部門のこと、顧客よりも自社のことが優先される(よく見えるようになる)といった、様々な形での「会社の老眼」は進行していきます。

 これを防ぐには、意識してこれらの優先順位を逆転させることです。そのために必要なのは、「手段ではなく目的から考える」「部分だけではなく全体から考える」「見えやすい短期事象だけではなく長期的目標から考える」といった「考える組織」の実現です。

 組織も人も放置しておけば、自然に楽な思考停止の方向に流れていくものです。それを意識して食い止めることが必要だということです。

(短期的施策)対症療法その2:たまには「大掃除」せよ

 老化が不可避だからといって何もしないでいるよりは、たとえ対症療法であったとしても「アンチエイジング」を意識した方がよいのは、個人も組織も同じです。

 組織のなかで行われる様々な効率化のための活動、例えば最新ICTの導入による業務プロセスの効率化や不要な会議の削減、組織の縦・横方向のスリム化といった試みを定期的に行うことには、十分に意味があります。

 黙っていれば、部屋が散らかっていくからといって「年末の大掃除」に意味がないわけではありません。だからこそ、定期的に掃除の機会を設けることが重要なのです。