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 NTTグループがM&A(合併・買収)による海外事業の強化を加速させている()。NTTデータは2013年10月31日にスペインのIT企業を買収すると発表した。買収額は推定で500億円に達する。11月5日にも米国とルーマニアのIT企業の買収を公表した。10月28日には、NTTコミュニケーションズ(コム)が米国のIT企業2社を約850億円で買収すると発表。NTTグループでみると5件、総額1350億円を超える買収を発表した格好だ。

表●NTTグループ各社がこの1年間で買収した主な海外企業
表●NTTグループ各社がこの1年間で買収した主な海外企業
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 NTTデータがスペインに本社を置くエヴェリスグループを買収した最大の狙いは南米市場だ。同社はスペイン語圏であるメキシコやアルゼンチンなどに拠点を構える。「(買収によって)中南米地域の事業を強化する」。岩本敏男社長は10月31日の記者会見で、こう強調した。

 NTTコムは米国のデータセンター(DC)事業者レイジングワイヤ・データセンターズの株式の約80%を約340億円で、通信事業者バーテラ・テクノロジー・サービスの全株式を約510億円でそれぞれ取得し、子会社化する。狙いは米国におけるDC/クラウド事業の強化にある。

 買収後、NTTコムが米国で持つサーバー室面積は合計4万3000平方メートルへと2倍以上に増える。バーテラは世界196カ国・地域でVPN(仮想専用線)やクラウド型のマネージドネットワークサービスなどを提供している。DCやネットワーク運営に関する効率的なオペレーションなどのノウハウを取り込み、競争力を高める考えだ。

 NTTデータとNTTコムは買収を通じて「弱点」市場の補強を目指す。NTTデータにとっては南米市場であり、NTTコムにとっては北米市場だ。ただ、各社の弱点はNTTグループ全体の弱点でもある。補強の成否は、買収先3社とNTTデータ、NTTコムはもちろん、NTT持ち株会社傘下のディメンション・データなどが連携して相乗効果を発揮できるかにかかっている。