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 2013年7月に米スプリント・ネクステル(現スプリント)を買収したソフトバンク。2013年10月にはガンホー・オンライン・エンターテイメントと共同でフィンランドのゲーム会社であるスーパーセルを、さらには携帯電話端末の卸売事業で世界最大規模の米ブライトスターをそれぞれ傘下に収めると発表した。ともに1000億円以上の大型買収で、世界戦略を急速に強めている。

 ソフトバンクに限らず、NTTドコモも上位レイヤーを中心に海外に進出。KDDIも今後、グローバル展開を強化する方針を示す。

 こうした動きの背景にあるのは、国内市場の成熟化。携帯電話の普及率は既に100%を超えており、スマートフォンへの移行で成長をまだ期待できるものの、爆発的な伸びは見込めそうにない。

 各社が海外展開に力を入れるのは自然の流れで、今後はボーダレス化の動きがさらに加速していく。すなわち、国内外の優れたサービスが入り乱れた状況になる。海外での厳しい競争を経て培ったノウハウが、日本のサービスにフィードバックされるといった効果も期待できそうだ。

 今や、通信業界に携わる人も一般ユーザーも、海外の動向を把握しておくことは不可欠になってきた。一般ユーザーになじみが深い「携帯電話端末市場」「公衆無線LAN」「モバイル決済」「モバイルヘルス」「SIMロック」という5つの動向について、情報通信総合研究所の研究員が解説する。

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