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 筆者はドワンゴの会長。ゲーム情報サイト「4Gamer.net」に連載されたインタビュー記事を基にしている。こうした出版の背景があるので、ゲームを軸に話題を展開している。とはいえ、ゲームそのものについて語った本ではない。ゲームを媒介にビジネスやインターネットについて、川上氏らしい独自の観点で論じている。

 本書の一貫した主張は「常識やルールを疑う」「人の気持ちを考える」といったもので、人によってはある種の説教臭さを感じるだろう。だが、ニコニコ動画の成功譚をなぞりながら語られると、強い説得力を帯びる。インターネットで成功した起業家ながらデジタル万能論とは遠い立ち位置にある点も面白い。インターネットの存在をちまたに言われる「外部記憶装置(単純な知識)の外出し」ではなく、「CPU(思考そのもの)の外部化」と捉える論点は、ニコラス・カーの著作「ネット・バカ」に通じるものがある。

ルールを変える思考法


ルールを変える思考法
川上量生 著
KADOKAWA発行
1470円(税込)


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