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パケットが地球を1週するのにどのくらい時間がかかる?

(イラスト・アニメーション:岸本 ムサシ)

  今回の回答者:
ベライゾンジャパン
テクニカルソリューション本部
本部長
生田隆由

 通信事業者が世界中に張り巡らせているバックボーンネットワークは、いくつもの経路があります。では、IPパケットが地球を1周するのに、どのくらい時間がかかるのでしょうか。

 地球上の主要地点を結ぶバックボーンネットワークは、主に光ファイバーで構築されています。真空中の光の速さは毎秒30万km。赤道直下の地球の外周は4万kmです。単純計算で約0.13秒で地球を1周できるわけですが、バックボーンネットワークではそうなりません。赤道直下を1周するルートがないことが一つの理由です。

 ここでは米ベライゾン・コミュニケーションズも利用している、「日本→米国西海岸→米国東海岸→英国→インド→シンガポール→日本」という地点を経由する全行程約5万kmのルートで考えてみます。このルートは主に海底ケーブルになっており、米国内だけ陸路を通ります。各中継地点は海底ケーブルの陸揚げポイントになっています。5万kmという距離から、単純計算で0.17秒程度になりそうだと推測できますが、実際はもう少しかかります。その理由はいくつかあります。

 まず、光ファイバーを伝わる光の速さは、真空中よりも遅くなるためです。また、光のパワーは伝送距離が延びるほど弱まります。そのため約80k~100kmごとに、光信号を受信して再度パワーを上げて送出する光増幅器が必要で、その処理時間もかかります。

 地球1周の所要時間を算出するために、まず各区間の往復遅延の時間を算出しました。中継地点の最寄り拠点にあるネットワーク機器から、次の中継地点の最寄り拠点にあるネットワーク機器までの遅延時間を計測したのです。次に、その遅延時間を合計します。実際は各地点での処理時間を考慮する必要がありますが、ここでは理論上かからないと考えました。最後に、復路分を排除するため2で割ります。結果は約250ミリ秒(約0.25秒)でした。これが地球1周にかかる時間です。