Windows XPのサポート終了は、関連業界に大きなビジネスチャンスをもたらす。いわば特需のようなものだといってもいいだろう。このチャンスを活かさない手はないと、周辺の動きは活発だ。ただ、ビジネスを成立させるためには、何が壊れているわけでもなく、何に困っているわけでもない。そして、サポートが終了したところで、正常に機能し続けているのに、もう使ってはいけないのだということを納得してもらわなければならない。
それでも、コンピュータシステムが、ハードウエアだけでは成り立たないということを知ってもらうには絶好のチャンスだともいえる。ハードウエアの価格は安くなる一方だが、ソフトウエアはそうではない。そして、OSにしろ、アプリケーションにしろ、そのソフトウエアがなければシステムは成立しないのだ。だからこそ、今回のビジネスチャンスを、一回限りのものにするのではなく、継続的なサービスとして提供できるようにもっていくべきだ。
次は2020年、Windows 7のサポート終了
この先も、OSや汎用アプリケーションのサポート終了は続く。次に大きな騒ぎとなるのは、Windows 7のサポートが終了する2020年だろう。その日までたった6年しかないのだ。だとすれば、6年後に使えなくなることを前提にしたビジネスをするよりも、その先のことを含めてサポートを継続していくことを提案する方が良い結果が得られそうだ。
ごくごく小さな現場でも、当たり前のようにパソコンが使われるようになって、まだ、10年程度しかたっていない今、今回のWindows XPのサポート終了は、多くの現場にとって初めての経験となる。ビジネスを提供する側にとっても、その提供を受ける側にとっても、初めての経験だ。秒進分歩で進化してきたコンピューターの世界で、古いものをずっと使い続けたい、古いもので十分と思わせてしまっている現象が起こっていること自体に、根深い問題があるようにも思う。
Windows XP終了まであと13週。
フリーランスライター