PR

課題3
複雑なグループ構成

 最後の課題は、企業統治(ガバナンス)の仕組み作りと、統治を担う人材の育成だ。

 買収先の社名やブランドは存続、創業社長が経営を継続─。NTTグループのこうした「日本型統治」は、子会社の経営が順調な時は、社員のモチベーションを維持できるなど、有効に機能する。一方で、創業社長の放漫経営を許しやすい、グループの一体感を出しにくいといったマイナスの面もある。

 企業ブランドを残しながら買収を進めた結果、NTT持ち株会社の下に領域が重複する子会社が並ぶ、複雑な構成となった(図7)。あるNTTグループ役員は「持ち株会社は研究開発以外に事業を持たないのが通例」と述べ、ディメンションデータなどNTT持ち株会社が買収した海外子会社と国内グループ企業を統合することは必然の流れ、との認識を示した。

図7●NTTグループが買収した海外企業群の組織関係図
個性的な海外子会社CEOをまとめ上げる手腕がNTT持ち株会社に求められる
図7●NTTグループが買収した海外企業群の組織関係図
[画像のクリックで拡大表示]

 だが、ディメンションデータは2010年の買収時、NTT持ち株会社の子会社であるNTTコムの傘下に入ることを拒んだ経緯があるなど、一筋縄ではいかない恐れがある。「NTT法」により、日本国籍のない外国人はNTT持ち株会社の取締役に就くことができない。これも、海外子会社の経営者などには不満の種だろう。