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 今日、子どもたちのインターネット利用をきっかけに生じている、ネットを通じた性的虐待(性的搾取)やいじめ、SNSを介した犯罪者との遭遇、ネット依存、個人情報・プライバシー情報の漏えいなどが社会問題となっている。ただしこの問題は日本だけで起きている問題ではない。

カナダの少女自殺事件でわき上がった議論

 カナダでは2012年10月に15歳の少女がインターネットを介した性的虐待から派生したネットいじめを苦に自殺したことを受けて、同国連邦議会が2013年11月にネットいじめに関する法案を審議している。この事件は、少女がWebのチャットで知り合った男から、性的な画像の送信を要求されたところから始まる。少女が要求に抗しきれずに画像を送ったところ、男は受け取った画像を脅迫のネタとして、さらなる画像の送信を少女に要求してきた。そのトラブルがきっかけで少女は友人や見知らぬ人からネットいじめを受けるようになり、それを苦にして自殺に至ったのである。

 この事件を機に、カナダでネットいじめ対策に関する法律の必要性が議論されるようになった(図1)。現在では、本人の同意なしに親密な者しか持ちえない画像や性的な画像の配布を取り締る法案“The Protecting Canadians from Online Crime Act”の制定に向けた議論が進んでいる。

図1●カナダのオンライン犯罪行為取り締まりに関する法案を伝えるバンクーバーサンのWebページ
図1●カナダのオンライン犯罪行為取り締まりに関する法案を伝えるバンクーバーサンのWebページ
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 これら青少年に対する性的虐待行為やネットいじめをその国域内で閉じた問題として捉えると本質を見誤る。この種の犯罪はインターネットを介してたやすく国境を越え、世界各国で発生している問題となっている。