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 ソーシャルパワーが今後の社会に及ぼす影響を分析した書。人と人のつながり(本書ではラディカル・コネクティビティと呼ぶ)は、様々な革新を引き起こす。ネットを介して知らない人同士が知恵を出し合い、クラウドファンディングやクラウドソーシングで資金や労働力も手軽に調達できるようになった。本書では、こうした動きが政府や大企業といった既存の枠組みを次々と壊していく様子を、実例を交えながら解説している。

 ソーシャルパワーを賞賛した書ではなく、むしろその先に待ち構える混沌とした社会に警鐘を鳴らす。デジタルの世界では身近な人の意見を鵜呑みにする傾向が強く、全く根拠のない風説が出回ることすらある。筆者は社会の秩序と価値観を守る新しい機関や機構の設計が必要と説く。本書の指摘には考えさせられるものがあり、特に破壊される側の関係者(実際にはほとんどの人)にお薦めしたい。

なぜなぜ分析 管理


ビッグの終焉
ニコ・メレ 著
遠藤 真美 訳
東洋経済新報社発行
1890円(税込)