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 イメージは「抵抗勢力」。IT部門を抵抗勢力とみなす利用部門は少なくない――。日経コンピュータ1月23日号の特集で、IT部門の自己評価と利用部門から見たIT部門の評価に関する調査結果を掲載した(関連記事:「IT部門はこう見られている」──ユーザー部門の本音を大公開!)。

 「ビジネスとITが不可分になった今、我々はビジネスと情報を守るために奮闘しているのだ」と憤慨したIT担当者もいることだろう。セキュリティや内部統制の観点から嫌われ仕事をやらなければならない。利用部門の要望にも可能な限り対応してきた。「それなのになぜ?」といったところだろう。

 多くのユーザー企業でIT部門が弱体化し、抵抗勢力ですらなくなっている昨今、そのように憤慨するIT部門やIT担当者の矜持は素晴らしい。だが、その憤まんは間違っている。

 今、ビジネスにITをフル活用している企業では、利用部門に多くの技術者が所属するケースが増えている。利用部門が技術者を抱えていない場合も、クラウドやソーシャルメディアの活用を独自に進めている。利用部門は営業やマーケティングの予算などから支出しているので、IT部門の権限外の話だ。

 こうした企業ITにおけるIT部門と利用部門の“二元化”は、EC(電子商取引)やWebマーケティングの試みが始まった20年近く前から顕著になった。IT部門からすれば、利用部門が基幹系の業務プロセスやセキュリティを十分に理解しないまま、トランザクション取引や顧客データの活用を進めるのは極めて危うい。利用部門もIT部門とのやり取りで時間を取られることを嫌い、従来の基幹系システムとは切り離す形で、ネットなどのITを活用したビジネスに取り組んだ。

 だが今や、ITを活用したビジネスの範囲は大きく広がり、それぞれのビジネスは深化した。そうしたビジネスを支えるシステムと基幹系システムとの連携も不可欠になり、利用部門とIT部門が調整・協力しなければならない局面も増えてきた。もちろん、企業によって程度の差はある。だが、ビジネスのリアリティに合わせて素早くシステムを用意したり、変更したりしたい利用部門が、セキュリティや個人情報保護、内部統制などを盾に要求を拒むIT部門にイライラさせられる場面は確実に増えている。