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 楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長は物流戦略の見直しについて、「楽天市場の店舗さんのための物流にフォーカスする」と宣言した。それが楽天にとっても店舗にとっても成長につながる早道と判断したからだ。

 そこでここからは3回にわたって、楽天の子会社である楽天物流が楽天市場の店舗向けに2012年夏から提供している物流代行サービス「楽天スーパーロジ」の現状について見ていくことにする。

 その前に知っておくべきなのが、楽天スーパーロジの全体像やコンセプトだろう。

 前回紹介した通り、楽天の物流センターである「楽天フルフィルメントセンター(RFC)」には大きく2つの役割がある。1つは楽天自身がネット販売する商品のための物流機能であり、もう1つは楽天市場の店舗が利用する楽天スーパーロジである。

写真1●楽天ブックスの物流。楽天自身が商品を仕入れて販売する(写真:北山 宏一)
写真1●楽天ブックスの物流。楽天自身が商品を仕入れて販売する
(写真:北山 宏一)
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 前者の自社物流は楽天ブックスに代表される、いわゆるBtoCの物流だ。楽天が本を仕入れて、消費者から注文があったものを仕分け・梱包して届けるという一般的な流れである(写真1)。

 楽天ブックスと直接競合するアマゾンジャパンをはじめ、ネット通販事業者はどこも、この形態の物流をこなしている。この種の物流は以前から数多くあり、扱う商材は違っても、物流センターの設計思想そのものはどの企業も似たり寄ったりである。経験者も多い。