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長谷島 眞時 ガートナー ジャパン エグゼクティブ プログラム グループ バイス プレジデント エグゼクティブ パートナー
1976年 ソニー入社。ブロードバンド ネットワークセンター e-システムソリューション部門の部門長を経て、2004年にCIO (最高情報責任者) 兼ソニーグローバルソリューションズ代表取締役社長 CEOに就任。ビジネス・トランスフォーメーション/ISセンター長を経て、2008年6月ソニー業務執行役員シニアバイスプレジデントに就任した後、2012年2月に退任。2012年3月より現職。写真:村田和聡
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長谷島 アマゾンもグーグルもそうですが、スタートして実際に利益を出すには10年近くかかっているわけですよね。ものすごくかかっている。それはいろいろな失敗もしているけど、それを次の成功につなげています。

安藤 僕なんかも一時、出井さんがアマゾンと手を組むんだと言って、あそこは家電もやりたいからというので、1998年ごろにアマゾンのネバダ州にあるでっかい倉庫を見に行ったんです。そこに在庫が山と並んでいるんですよ。こんなに在庫を持つビジネスでどうやって勝てるんだろうと。

 本やCDをロングテールで売るのはいいけれど、家電みたいに次々新製品が出るものにはどうだろう。当面アマゾンは絶対成功しっこないなと、高をくくっていたんです。

「アマゾンがやらないこと」を考える

 ところが、彼らもそのやり方を大失敗だと認めたんです、そこからどんどん改革していって、素晴らしいビジネスモデルに最後は仕上げましたからね。やっぱりああいう考え方でやってこられたら、日本の企業はひとたまりもないなという気がしましたけどね。

長谷島 今はITの分野でも、スタートアップ企業がアマゾンのクラウドサービスを使えば何でもできちゃう、昔みたいにでかいシステム問題とか、データセンターを契約してああだこうだ、みたいなことは、あんまり必要なくなっていますよね。

安藤 これから企業が自社のクオリティーや特徴を打ち出していくには、「アマゾンができない領域」をどう攻めていくかという視点で、戦略的に考えていく必要があると感じます。

 それを考えるのは、CEOの役割であるわけです。そのたった1人が企業の使命を考え抜き、どう差異化できるか考えていかなくてはいけない。それがメーク・ザ・ディファレンスであって、企業の命運を握っている。恐ろしいことでもありますが。