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3歳の子どもが「なめこ」にはまり…

 反省を込めて、筆者の身内であった恥ずかしい話をしよう。筆者は子どもが3歳のころ、当時流行していた「おさわり探偵なめこ栽培キット」という無料のスマートフォンゲームで遊ばせたことがある。栽培を開始すると次々に生えてくるなめこを、画面を指でスワイプして収穫するゲームだ。収穫が進むにつれてめったに獲れない面白い形のなめこが生えてくるという、単純だが癖になるつくりをしている。

 電車などで子どもが退屈していた時に、静かにしてもらうために与えたのがきっかけだった。iPhoneのスリープ解除やアプリ起動といった基本操作は0歳の時に覚えていた子どもが、なめこ栽培にはまるまでに時間はかからなかった。

図3●「おさわり探偵なめこ栽培キット」の画面

 電車に乗って暇ができると「きのこやる」と言い、筆者のiPhoneを奪ってなめこ栽培・収穫を始める。収穫しているうちにレアななめこが出てくると大喜びだ。収穫を延々と繰り返すため、iPhoneをなかなか返してもらえない。子どもがはまる様子を見て、私はどんな年代も虜(とりこ)にするソーシャルゲームの作りのうまさに舌を巻いていた。

 「これはまずい」と思ったのは、ある晩のこと。3歳児が「きのこ」と言ってiPhoneを筆者から奪い、アプリを起動したが、画面をのぞいて「(なめこが)生えていない」と文句を言いだした。収穫してわずか数秒でまたのぞく。iPhoneを取り上げると怒り、アプリを起動して収穫する。これを延々と繰り返し、まるで中毒患者のように見えた。子どもはほかのことに集中できず、ゲームに意識のすべてを奪われていた。