PR

 ある意味、世界初の大ヒットパソコンは、アップルとマイクロソフトの共同作業によって誕生した、と言ってもいいかもしれない。だが、これから数年後、アップルとマイクロソフトの間に亀裂が入り始める。

OS戦争が勃発

写真5●IBM PC "ibm computer pc 5150" by Fried Dough is licensed under CC BY 2.0

 1981年、それまでパソコン市場には興味を示していなかったIBM社が、最初のパソコン、IBM PC(写真5)を発表する。

 マイクロソフトは、同製品向けにBASICをはじめとするプログラミング言語を提供する予定だったが、自社ではOSを持っていなかったので、当時、パソコン用では唯一のOSだった、デジタルリサーチのCP/Mを推薦する。しかし、IBMとデジタルリサーチの間で折り合いがつかなかった。

 そこで当時、副社長だった西和彦氏らの後押しで、マイクロソフト自身でOSを開発することになった。いちから開発しては時間が掛かるので、シアトル・コンピュータ・プロダクツが開発中のQ-DOS(Quick and Dirty OS)というパソコン用OSを5万ドルで買い取り、これをMS-DOSというOSに仕立てた。

 こうしてMS-DOS搭載のIBM PCが1981年に発売されると、IBMのブランド力も後押しして、企業を中心に採用が広がり、1年ほどの間にApple IIからパソコン市場トップシェアの座を奪ってしまった。ただし、IBMにとって良い時代はここまでだ。ここでもう1つ重要だったのが、マイクロソフトがIBMにOSの独占販売権を与えず、他のパソコンメーカーにもOSを提供したことだ。

 1982年からは、コンパック・コンピュータをはじめとする数々のメーカーからMS-DOS搭載のIBM PC互換機が登場しはじめ、これがMS-DOSプラットフォームの普及をさらに勢いづけた。多くのアプリケーションソフトがMS-DOS用につくられたため、IBM PC互換機の方もさらに増える、という構図ができあがったのだ。