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写真1●会長を務める中島 倫明氏
「最近はOpenStackに詳しい人が増えて講師役が充実しつつあるので、自ら講師を務める機会は減った」と話す。

 OpenStackユーザ会のメンバーは、もっぱら勉強会やカンファレンスなどリアルのイベントを通じて、情報共有を図ったり交流を進めたりしている。これは、すべてのメンバーが個人ではなく企業単位でOpenStackに関わっているからである。「日本では仕事に関係する内容を一般の場に公開するのは好ましくないとされているので、メーリングリストなど記録に残るメディアで議論が活発に交わされるケースはほとんどない」(ユーザ会会長、伊藤忠テクノソリューションズの中島 倫明氏、写真1)。

 メンバーの所属企業は多岐にわたるが、リアルなイベントを通じてすぐに打ち解けられるそうだ。1社ですべてを完全に把握することが現実的ではない、極めて大規模なオープンソースのソフトウエアに対する取り組みなので、誰もが所属企業という枠を超えて相互協力することが不可欠だと感じているからである。

 ユーザ会が発足したのは、OpenStackの正式版がリリースされた2010年10月のこと。OpenStackは普及が見込まれていたものの、当初は導入して利用できるようになるまでに高いハードルが立ち並び、それらを越えるのにさまざまな試行錯誤が必要だった。そこで、「ギーク(エンジニア)間でのノウハウ共有などを中心として活動がスタートした」(中島氏)。

 その後、数回にわたるバージョンアップを経てOpenStackの品質が向上したことや、対応ディストリビューションおよび簡単に導入できるアプライアンス機器などが登場したことを背景に、OpenStackの導入自体は高いハードルではなくなった。そこで「2012年後半ぐらいからは、スーツ(マーケティング担当者などビジネスをドライブする立場の人たち)向けの活動にも力を入れるようになった」(中島氏)。例えば、勉強会はギーク向けとスーツ向けに交互に開催している。ギーク向けは週末の午後に数時間を使って、ソースコードリーディングやハッカソンなど、ポイントを絞って深く掘り下げる。一方、スーツ向けでは平日の夕刻から2時間ほど、急速に充実しつつあるエコシステムや、こんな風に使えるといったケーススタディーを紹介する。