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 楽天は1997年の創業以来,会員数・流通額・提供サービス数を急速に拡大させており,楽天市場を中心とする楽天のシステムでは,様々なサービスから生成される多種多様な大規模データが日々蓄積され続けている.ビッグデータと呼ばれるこれらのデータ群を,いかに統一的なプラットフォームで収集,解析し,ビジネス側に迅速かつ的確にフィードバックを行うかが,楽天にとって重要な課題となっている.この課題に対処するために,楽天では現在,楽天スーパーDBと呼ばれる大規模ユーザ属性DBプラットフォーム,およびグローバルイベント解析プラットフォームを構築・運用を行っている.本論文では,楽天でのビッグデータの例を紹介するとともに,2つのプラットフォームの紹介を行う.

1. はじめに

 楽天は, 1997年にオンラインショッピングモール「楽天市場[1]」のサービス提供を開始して以来,会員数,流通額を伸ばしており,2011年は楽天市場における年間流通額が1兆円を突破した.また,楽天市場だけではなく,オンライン旅行サイト「楽天トラベル[2]」や,ポータル・メディア事業,銀行やクレジットカード等の金融事業など,提供するサービスを拡大させてきている.さらには,楽天はグローバル化を進めており,アメリカ,フランス,イギリス,ドイツ,タイなど,ECサービスを提供している地域を拡大させている.

 事業の拡大に伴い,楽天グループのシステムでは,多種多様なフォーマットの大規模データが,至る所で日々生成され続けており,これらのデータをいかにして,横断的に収集・蓄積し,解析をすることでサービスに活用していくのかが重要な課題となっている.このような状況を踏まえ,現在楽天では,多種多様な大規模データの収集,蓄積,解析を実現するプラットフォームの構築・運用に取り組んでいる.本稿では,その中の取り組みの例として,7,500万人を超える会員のユーザ属性情報を一元的に管理するDBプラットフォーム,およびグローバルイベント解析プラットフォームの構築・運用を取り上げ,楽天におけるビッグデータへの挑戦について述べる.

 本論文では,以降,次のような構成をとる.第2章にて楽天で取り扱っているビッグデータの例を示し,第3章にて楽天スーパーDBについて紹介を行う.第4章では,グローバルイベント解析プラットフォームについて紹介を行う.第5章にてまとめを行う.