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 政府は1月、社会保障と税の番号制度(マイナンバー制度)で規定する個人情報の監視・監督機関である「特定個人情報保護委員会」を内閣府の外局として設置した。マイナンバー法(番号法)を含む個人情報保護関係法のすべての立法過程に関与し、同委員会の初代委員長に就いた堀部政男一橋大学名誉教授に、制度設計の背景や運用のあり方・課題を聞いた。

(聞き手は本誌編集長、井出 一仁)

2016年1月のマイナンバー制度運用開始に向け政府の取り組みが本格化しています。

堀部 政男氏
堀部 政男氏
写真:佐藤 久

 個人に割り当てた番号を用いて行政機関等にある個人情報を同一人の情報として確認できるようにするマイナンバー制度は、国民の利便性を高め、負担を軽減し、権利利益を確実に守り、公平・公正な社会を実現するための基盤となります。

 一方で、国民一人ひとりに番号が付与されることで、国家による個人情報の一元管理、個人情報の名寄せ・突合による意図しない個人像の構築や差別、個人情報の不正利用・改ざんによる財産などの侵害といった懸念が国民の間に生じると指摘されてきました。

 こうした懸念に対し、システム面と制度面で高度な保護措置を講じることで、個人情報を保護しながら使い、使いながらも保護できるという、活用と保護のバランスの取れた制度が出来たと考えています。

委員会の体制と役割は。

 設置から1年間は委員長と委員2名の構成です。任期は5年です。2014年秋と15年秋の国会同意人事でそれぞれ2名が提案され、16年1月に委員6人体制が整います。

 事務局と連携しながら、当面は個人番号の適正利用のためのガイドラインや監視・監督の指針の策定などを進めていきます。

座長を務めた「個人情報保護ワーキンググループ注1)」での検討の成果は、基本的に制度に取り込まれているでしょうか。