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 配属先は情報システム部門。そんな辞令を受け取った新入社員の皆さんは、どんな気持ちでいるだろうか。「やった!」とガッツポーズをした人は少数派だろう。大半の人は呆然としたのではないか。「世界で通用する営業のプロになろう」とか、「いつか画期的な新製品を企画してみたい」といった夢を抱いて入社した人にとっては、その夢を打ち砕かれたような衝撃だったかもしれない。

 私は、そんなシステム部門の新人、さらには若手のシステム部員も含めた皆さんに「経営トップを目指せ」と説こうと思う。ただし、勘違いしてほしくないが、私は「くさらずに頑張れば道は開ける」といった類いの話をするつもりはない。そんな挫折感は2~3カ月もすれば消え去り、それこそあっと言う間にシステム部門に馴染んでしまうからだ。

 金融機関など一部を除き、多くの企業では大型の開発案件が一巡しており、今やシステム部門の業務はシステム保守運用が中心になっているはずだ。従って、システム部門の先輩が酒の席で語るであろう「寝袋を持ち込んで連日泊り込んだ」といった修羅場は、今ではあり得ない。しかも、同期の新人が客先などビジネスの最前線で怒鳴られ、恥をかく毎日を過ごす一方で、自分たちはシステム部門という“奥の院”での業務。「これも悪くない」とすぐに思うようになるだろう。

 さて、問題はここからだ。皆さんの上司であるシステム部長は元気いっぱいだろうか。「俺はここで終わりだから」とたそがれている人が少なくないと思う。彼らの見立ては正しい。システム一筋で本業のビジネスの現場を経験してこなかった人が、経営トップになるのは難しい。最近では、システム部門の社内での位置付けが低下したために、CIO(最高情報責任者)、つまり「執行役員システム部長」になれるかどうかも怪しい。