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 「マイナンバー中核システムの開発業者決定、NTTコムなど『5社連合』が異例の落札」という記事を公開しています。異例の落札という部分に目がとまりました。

 総額で3000億円以上ともいわれるマイナンバー関連の開発は一筋縄では行かないものです。異例ではありますが、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、富士通、NEC、日立製作所からなる5社連合のコンソーシアムは、制度を支える中核システムの「情報提供ネットワークシステム」の設計・開発を成功させるための必要条件なのかもしれません。

 5社連合の動きはほかにもあります。中核システムの一つで、地方自治情報センター(LASDEC、当時、2014年4月1日より地方公共団体情報システム機構に改組)が調達を担当した「番号生成システム」も、同じ5社連合が落札しているのです(関連記事:マイナンバーの生成システムは69億円で構築、NTTコムなど「大手5社連合」が落札)。

 しばらく前に、5社連合の1社の社長経験者とマイナンバー開発について話していて、「遠藤さんを業界全体で盛り立てていきます」という答えが返ってきたことがあります。遠藤さんとは、内閣情報通信政策監(政府CIO)の遠藤紘一氏のことで、国のために取り組もう意気込みを感じました。

 この話を信じるなら、異例の5社連合は挙国一致ならぬ業界一致の決意の現れということにもなるでしょう。ただ真正面から受け取れない面があります。

 「落札価格が決定するまでには紆余曲折」(上記記事)があったからです。少し長くなりますが、引用します。

 「5社によるコンソーシアムが初回に提示した金額は128億円。だが、これは政府側が見積もった『予定価格』を上回っていた。政府調達では、工程数などから事前に見積もった予定価格を下回らないと、政府は業者と契約できない。

 コンソーシアムは2回目に125億5000万円、3回目に123億5000万円を提示したものの予定価格を下回らず、最終的に相対交渉を経て落札金額114億円での随意契約で合意した。予定価格は外部には公表していない」

 中核システムに関しては当初、落札価格が予定価格を上回った事例がほかにもあります。今回の設計・開発に関する入札に先立って決まった、「工程管理支援」業務の入札です。こちらの入札に参加したのはアクセンチュア1社。設計・開発と同様に3度の入札でも決まらず、やはり随意契約で決着をみました。

 入札価格が高かったのか、予定価格が低かったのか。ライバルのいない入札を、赤字覚悟で落札する企業がいるのだろうかと思うのは、意地が悪いからでしょうか。

 政府が関連する大規模システム開発で国産大手にアクセンチュアが絡む構図は何度か見たことがあります。2000億円以上をかけ5年以上遅れて稼働した国税総合管理(KSK)システム、異例の1万円入札から幕を開けた電子納税システムなどです。筆者も取材にかかわったことがあります。残念ながらし烈な競争や舞台裏の全容はとらえきれませんでしたが、虚実渦巻く世界だということは強く感じました。

 マイナンバー開発はどう進んでいくのでしょうか。追いかけていきます。