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 仕事の内容が挑戦的であるほど、失敗する確率は高まります。それは仕方がありません。しかし失敗さえも無駄にせず、そこから次につながる価値を生み出す。この前向きな姿勢を取り続けることが、ITエンジニアとして成長するために大切だと考えています。

 私は忘れられない失敗をこれまで何度か経験しました。その一つは、中堅システムインテグレータの技術部門に勤めていた15年ほど前のことです。

 当時、国内の製造業の多くは、画一的な製品の大量生産から多品種少量生産に転換しつつありました。多品種といっても、大半はサイズや色などにちょっとした違いがあるだけです。ところが、従来型の生産管理システムでは、ちょっとした違いでもそれぞれを異なる製品や部品として管理します。そのため、多品種になると部品表のデータ量が膨大になって管理できなくなります。そこで、多品種少量生産に適した生産管理モデルを、社外の有識者の協力も得て、ゼロベースで作り出しました。そのモデルは「連続した製品の製造部品表」という意味で、「SPBOM(Series Products Bill of Manufacturing)」と名付けました。

 生産管理システムの画期的なモデルを作り上げることができた、という自信がありました。意気込んでそのシステムをユーザー企業に提案して回ったのですが、受注できたのはごくわずかでした。不況下で逆風が吹いていたとはいえ、ビジネスとしては失敗です。大きな挫折を味わいました。