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失敗が飛躍のきっかけになる

 それでも「この失敗を無駄にしたくない」と必死に前を向きました。モデル作成から提案までの活動を振り返り、何か得たものはないか、次につながるものはないか、と探したのです。

 すると、ありました。それは、ユーザー企業の経営層と話す機会を得て、彼らが抱えている問題や関心事を理解できたことです。経営層の問題や関心事は、SPBOMそのものやその提案内容を改善する手掛かりになります。つまり、次にやるべきことが見つかったわけです。

 これで、エンジニアとして次に進める―。その気持ちが、大きなモチベーションになり、同僚や仲間とともにSPBOMの改良に取り組みました。関係者の尽力もあって、今ではSPBOMの周辺のモデルや理論も整備されています。

 過去のキャリアを振り返ると、こういう成長の仕方を繰り返してきたように思います。もちろん成功もしましたが、失敗が飛躍のきっかけになったことも少なくありません。失敗しても、努めて冷静になれば、そこから自分にとっての価値を見つけ出せるものなのです。

 正直に言って、今でも現場でうまくいかないことは多々あります。それは、挑戦を続けている証拠でもあるのです。常に前を向いて、これからもエンジニアとして成長し続けていこうと思っています。

児玉 公信(こだま きみのぶ)
児玉 公信(こだま きみのぶ) 情報システム総研 取締役副社長 モデラー。日本石油(現・JX 日鉱日石エネルギー)、北海道大学 研究員、エヌ・ケー・エクサ(現エクサ)などを経て、2009年より現職。主な著書に『UMLモデリングの本質』(日経BP社)、『UMLモデリング入門』(同)などがある