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 「パソコンはもう終わってしまうのか?」という連載企画を興味深く読みました。ビジネス書作家の戸田覚さんの手によるものです。

 特に印象に残ったのは、「[INTERVIEW]今のパソコンがすぐになくなることはありえない」と「『Windowsの独占が終わる』と2005年の時点で言うべきだった」の二つでした。前者はマイクロソフト(MS)日本法人元社長の成毛真氏、後者はジャストシステムの創業者であり元社長である浮川和宣氏を取材したものです。

 かたやWindows 95ブームの立役者、かたやワープロソフトの一太郎の生みの親です。PCの勃興期のカリスマと言ってもいいでしょう。その二人が語るPCの今に対する分析ですから、面白いのも当然です。

 成毛氏の回はこう始まります。「最初にお断りしておきますが、私がマイクロソフトを辞めたのが2000年。実はマイクソフトの株価もその年に最高値を付けています。株価が先行指標であるとするならば、そこからいろいろなことが読み取れるはずです。いずれにしても、あれからもう15年がたっています。私の現在の肩書きは書評家、執筆家で収入の95%は印税です。文章を書くのが仕事ですから、パソコンは今も欠かせません。そういう意味ではパソコンがなくなっては困るし、これからも残っていくと思っています」

 そして現在、成毛氏はアップル製品しか使っていないことを明らかにします。これには驚きました。

 浮川氏の回で目にとまったのは、タブレットが登場する前からパソコン向けのソフトに元気がなくなってきているのではないか、という趣旨の戸田氏の問いかけに対する答えの部分です。以下に引用します。

 「すべてがWebで事足りるようになり、主役がコンテンツビジネスに移ってきました。日本のコンピューターエンジニアは50万人いると言われていますが、コンテンツ制作で働いている人の数は桁が違います。さらに、日記を書いてアップするなら誰でもできます。相対的に、ハードウエアやソフトよりも、コンテンツに目が行ってしまったと考えます。それでも、新しいOSが出ると皆さん注目します。パソコンの価値が失われたわけではなく、『目が向く対象』が変わったのだと思います」

 「目が向く対象」はコンテンツを作る筆者にとって最も重要なものです。いろいろと考えさせられました。