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 IBMが新たなプロセサのPOWER8と、POWER8を搭載したサーバーのIBM Power Systems Sクラスを発表しました(関連記事:日本IBMが新プロセッサ「POWER8」を解説、最大96スレッドを同時に実行日本IBMが「POWER8」搭載の新サーバーを発表、x86に比べ50倍の分析処理速度を実現)。製品や技術は間違いなく進化しているのですが、頭の中をよぎったのは、UNIXサーバー市場全体の先行き不透明感です。

 少なくとも2000年代の前半までは、UNIXサーバーには確たる存在感がありました。米サン・マイクロシステムズのSolaris、米ヒューレット・パッカード(HP)のHP-UXの2強と、IBMのAIXで市場を形成し、可用性や信頼性の高さを武器に、基幹システムの世界ではWindows ServerやLinuxの挑戦を退けるという構図です。

 サン、日本HP、日本IBMだけでなく、富士通やNEC、日立製作所などがOEMで調達したハードを販売し、脱メインフレームならUNIXというのが当時の風潮でした。ALADINやCiRCUSといったNTTドコモの超大型システムはUNIX最盛期の象徴といえるかもしれません。

 時代は変わりました。AIX、IBMiが動作するだけでなく、IBM Power Systems SクラスにはLinux専用機があるというのです。Linux専用機を用意しなければならないほど、AIXの競争力は弱まっているのでしょうか。

 市場全体もマイナス成長が続き、SolarisやHP-UXについての情報も以前に比べれば格段に減っています。

 今、話題になるのはUNIXサーバーではなく、クラウドのAmazon Web Services(AWS)を利用したシステムです。Windows Serverについて取材しても、打倒UNIXという言葉は出てきません。Windows Serverの最大のライバルは、一つ前までのバージョンのWindowsと言わんばかりでした。

 サンが米オラクルに買収されたのがUNIX退潮の始まりで、オラクルがHP-UXを動かすインテルのItanium向けのデータベース・ソフトのサポートを止めたのが第二波だったのかもしれません。ここにWindows ServerとLinuxの機能向上が追い打ちをかけたように見えます。

 製品は確実に良くなっています。UNIXサーバーはイノベーションのジレンマに陥っているのかもしれません。UNIXの視界が晴れる日が来るのか、考えてみます。