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 新人営業のD太君と先輩SEのM子さんのオフィスに、プラント機器を製造しているV社のIT部門で働く、F係長と女性スタッフのHさんが訪ねてきました。社長の指示を受けて、拡張現実という技術について知りたいとのこと。拡張現実は観光や広告など消費者向けの領域で使われはじめ、設備保守システムなど企業向け市場でも適用がスタートし、市場の拡大が期待されている技術。V社の社長は目の付けどころがいいようです。

F係長 社長にこう言われました。「どうやら、メンテナンス業務の分野で拡張現実なる技術に注目が集まっているらしい。キミは知っているか?」と。

D太 なんて答えたんですか?

F係長 「それはいったい何でしょう?」と。

D太 それでどのようになったんですか。

F係長 大目玉を食らいました。「さっそく調べてこい」と。

M子 御社の社長は早耳ですね。拡張現実という技術はかなり以前からありますが、身近に使われるようになったのはスマートフォンやタブレットが普及し始めた、2012年くらいからです。

Hさん そうなんですか。

F係長 それで拡張現実って、いったい何なんですか?

M子 英語のAugmented Reality(AR)という言葉を、拡張現実といっています。ARと略すことも多いですね。Augmentは「増やす」とか「増大する」いう意味。ITの世界では、現実に存在するものをIT機器のディスプレイにの表示しつつ、そのものに関連する情報を紐付けして呼び出す技術を拡張現実と呼んでいます。

F係長 その場合、ものとか情報というのは何を指すの?

M子 するどい質問です。ものというのは、現実に存在するものすべてを指します。たとえば、工場内の様々な設備もその一つとなります。広い場所、たとえば駅前の広場などの風景も「もの」になります。そして、ものの情報というのは、設備を例にするとその設備の製造メーカー名、設備の保守マニュアル、過去の保守履歴などになります。

Hさん プラント機器の保守を例にすると、ARの利用イメージはどのようになりますか?