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特許係争のあるべき姿を問う

 Suicaなど非接触ICカードの原理を発明したとしてソニーと特許紛争を繰り広げた研究者、松下昭氏の半生を綴った書。松下氏は、1985年に電磁波で電力と信号を同時に送信する非接触通信技術を発明したという。特許庁は松下氏の特許を19年にわたり「新規性なし」として承認せず、裁判所はソニーの特許侵害を認めなかった。

 本書を読む限り、特許庁や裁判所の判断には一定の妥当性があると感じる。ただ、「(裁判で証拠の全開示を強制できる)ディスカバリー制度がない日本では、企業と発明者双方が納得できる裁判は実現しない」という筆者の主張には、傾聴すべきものがある。

「スイカ」の原理を創った男


「スイカ」の原理を創った男
馬場 錬成 著
日本評論社発行
2484円(税込)