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 ベネッセホールディングスは2014年4月1日、持ち株会社直下にインキュベーションセンターを発足させ、「EdTech Lab(エドテックラボ)」と呼ぶ組織を設立した。同部を率いるEdTech Lab部長の森安 康雄氏は、「教育をテクノロジーで変えて事業に結び付けるインキュベーション組織だ」と説明する。

 それまで森安氏は、事業部門内のデジタル戦略本部でベンチャーへの出資や提携に取り組んできた。その一つが個人の進捗や学習深度に最適化された学びの方法である「アダプティブ・ラーニング」である。既存事業と並走しながら進めていたが、事業会社から独立し「持ち株会社の社長がコミットする」(森安氏)ことで、以前よりもさらに素早く動ける組織となった。

 森安氏に教育におけるテクノロジー、同社とベンチャーの協業などについて聞いた。なお取材時の森安氏の肩書きは、ベネッセコーポレーション 家庭学習事業本部 デジタル戦略推進部 部長である。


ベネッセホールディングス インキュベーションセンター EdTech Lab 部長 森安康雄氏
ベネッセホールディングス インキュベーションセンター EdTech Lab 部長 森安康雄氏

教育のデジタル化について教えてください。

 私がベネッセ(当時福武書店)に入って、最初に携わったのは任天堂のファミコンを使った学習システム。英語や理科、算数を学習するものを作り、それを会員制で小学生に届けました。家庭向けの対話型の学びの環境は、そのころからずっと続けています。その後、ゲーム機のようなコンピュータを自社開発し、中学生向けに数学や英語を学習するシステムなどを提供していました。

 対話型の教育のデジタル化はずっと取り組んできたテーマで、最近はタブレットにも進出しています。これとは別の流れで学校向けの教育のデジタル化にも携わっています。これについても相当前からMIT(マサチューセッツ工科大学)のメディアラボと共同で、シーモア・パパート氏が開発したプログラミング言語「LOGO」を使った教育に取り組んできました。それが今の小中学校向け教育のデジタル化の走りと言えます。

 ただ、当時はスタンドアローンで、ばらばらに動くものを、ばらばらにみんなが使っているような状況でした。それが90年代の終わりくらいから、インターネットを使ってどう学ぶかということが研究開発のテーマになり、そうしたサービスを提供するようになってきました。そしてここ最近はモバイル化です。学びたい人が直接自分のデバイスで、24時間365日途切れることなくサービスを享受できる環境が整いました。