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 富士通とNECがASEANで防災システムを突破口にして攻勢に出ている。富士通はインドネシアで洪水などの災害向けシステムを稼働させ、NECはフィリピンで地震対策のシステムを受注した。日本の官公庁や自治体向けのシステムで培った実績やノウハウを武器に、自然災害の多いASEAN諸国で、ビジネスの拡大を目指す。

危険水位を超えると自動で警告

 富士通はインドネシアのジャカルタ州防災局で、洪水災害向けの防災システムを2013年12月に本格稼働させた(写真1)。州内の災害や避難の状況を一元管理して、対策精度の向上やスピードアップにつなげる。

写真1●富士通がインドネシアのジャカルタ州防災局で稼働させた、洪水災害向けの防災システム
写真1●富士通がインドネシアのジャカルタ州防災局で稼働させた、洪水災害向けの防災システム
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 「ジャカルタでは、自然災害の中で洪水が最大の課題」と、富士通のグローバルデリバリー部門ビジネス推進室の岡村裕仁氏は話す。2014年1月に大規模な洪水が発生した際には、稼働したばかりの富士通製の防災システムが活用された。州知事自らが防災センターに入り、指揮を執ったという。

 防災システムでは、まず各地の防災担当者が河川の水位などを測り、その情報をラジオ無線を使って防災局のセンターに報告する。収集した水位情報をセンター側で入力すると、システムが自動的に洪水発生の危険がある水位を超えた地域の責任者宛てに、メールやショートメッセージングサービス(SMS)を送信する。各地の防災担当は、連絡を受けて避難命令などの対応を取る。正確で迅速な初動対応を促すことで、被害の最小化につなげる。

 従来、センター側ではエクセルで危険水位や各地の連絡先を管理していたため、情報の伝達に時間がかかるうえ、集計ミスや連絡ミスで危険に関する情報がうまく伝わらない可能性があった。