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 もう一つは、既に開発されている技術を調達する方法である。特定の事業分野や技術分野で必要なポートフォリオの構築を目指す取り組みだ。企業などの顧客は、大きなパッケージとしての技術を受け取ることができる。

 技術は高度化・複雑化している。今や、新しい製品やサービスを提供するために必要な技術を1社ですべて賄うことは難しくなった。他社から技術提供を受け、ときには逆に提供することによって、事業に必要な技術を調達する「オープンイノベーション」の取り組みが不可欠になっている。IV社の活動はそれを支援するためのものだ。

レーザー光線でマラリア蚊を撃ち落とす

 さらにIV社には、もう一つの特徴的な技術の調達手法がある。それは、自社の研究所で研究開発を手掛けていることだ。私自身も発明家であり、社内には100人近い研究者がさまざまなテーマの研究開発に取り組んでいる。

 例えば、新しいタイプの原子力発電技術の開発がある。ウランの濃縮プロセスを必要とせず、劣化ウランなどを用いて長期間の原子炉の稼働を可能にする技術だ。今後、日米欧の先進国に加え、中国などの新興国でも電力需要は増えていくだろう。高い安全性でそれを実現できる技術として注目を集めている。米テラパワーというベンチャー企業を立ち上げて、実用化を目指しているところだ。

 マラリアの撲滅を目指した研究テーマもある。その一つとして、マラリアを媒介する蚊をレーザー光線で撃ち落とす害虫駆除システムを開発している。廉価で省電力のコンピューターやカメラ、レーザーを組み合わせた技術だ。数十メートルの距離から、マラリア原虫を運ぶメスの蚊だけを捕捉し、数秒間で数十匹を撃ち落とせる。蚊が入れない見えないフェンスとして病院を覆い、マラリアの感染を防止する応用が期待できる。

害虫駆除システムの試作機(写真:Interectual Ventures社)
レーザーによる害虫駆除のイメージ(写真:Interectual Ventures社)
左は、害虫駆除システムの試作機。右は、レーザーによる害虫駆除のイメージ(写真:Interectual Ventures社)
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