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 これらを考慮すると、次のような文章に訂正できます。「エンターキーを押すと、ときどき砂時計マークが表示されることがあります。この砂時計マークは、コンピュータの内部でCPUの負荷が大きな処理を行っていることを意味します」です。

 最後の【例文(その3)】については、どうでしょう。起承転結もはっきりしており、文も短く区切られていて、一見よさそうな文章です。しかし、この文章を問題なしとしてはいけません。読み手の効率を考えた場合、起承転結による書き方では結論が最後になって、効率が悪いのです。

 ちなみにこの文章を読んだ人はどのような判断をするでしょうか。あいまい検索機能について調べようとする人はこの文章をヘルプ画面の説明だと考え最後まで読まないのではありませんか。つまり、文章の結論が最初に来ていない、あるいは最後に来ていることが原因といえます。

 この悪文を治療(修正)する際、最後の「最近のソフトウエアでは、あいまい検索機能を搭載したものが増えています。」という内容を理解することがポイントです。この文を最初に持ってくれば、治療の道筋が見えてきます。

 例えば、「最近のソフトウエアでは、あいまい検索機能を搭載したものが増えています。この機能を使うと、あいまいな日本語による検索ができます。身近な例として、Windowsで動くソフトウエアであいまい検索機能を確認することができます。例えば、ワードの場合には、メニューバーの一番右側に「ヘルプ(H)」と表示されています。ここをクリックすると、ヘルプ画面が表示されます。「質問」のタブ画面には、「何について調べますか」というメッセージと質問入力用のメッセージボックスがあります。ここに質問を日本語で書けば、最適な回答を得ることができます。」とする方が、何を伝える文章なのかがはっきりしますね。


福田 修(ふくだ おさむ)
テクノロジー・オブ・アジア 代表取締役
オペレーティング・システムを専門とし、その延長にあるコンパイラ言語の開発及びインタプリタ言語の設計と開発を行う。その後プロマネとして金融システム・流通システム・旅行システム・新聞システムなどの開発に従事する。1997年にテクノロジー・オブ・アジアを設立して独立し代表取締役に就任。我が国における知的所有権ビジネス推進を目指し、ソフトウエア・パッケージの企画・開発を行う。国内でシステムの要件定義と設計を行い海外に開発を委託するオフショア・ビジネスを構築している。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)において「ナレッジ・マネージメント研究部会」「ビジネスオブジェクト研究部会」「要求仕様研究部会」「SEの為の話す技術研究部会」などの部会長を歴任。主な著作に「エンジニアのための文章上達塾」(アスキークラウド)、「要求仕様の美学」(IT Leaders)、「SE/プロマネを極める 仕事が早くなる文章作法」(日経BP社)などがある。