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 決算発表会で孫氏は、「これまで年に2~3回、製品発表会を開催してきた。20機種も30機種も発表する時代には、発表会の必要性があった」と振り返る(写真4写真5)。しかし、「今日ではiPhoneと数機種のスマホで、その数機種もみなAndroidという状況だ。スマホ以外も技術の進化はほとんどなくなり、過去に発表された機種を焼き直しているに過ぎない」と、端末間の差異が小さくなっている状況を挙げる。「iPhoneはアップルが発表する。Androidはそれほど機能の差がなく、たくさんの品揃えを用意するという時代ではない」として、「発表会という形式の役割は終わったものと認識している」と指摘した。

写真4●2013年9月に開催されたソフトバンクの2013年冬春モデル発表会
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写真5●ゲストを交えてのトークセッションで端末やサービスをアピールしていた
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 今後については「まとまった発表会ではなく、個別に開く機会があるかもしれないが、大げさな発表会は当分の間、数年か10年か、状況が変わるまでは見合わせる」(孫氏)と述べた。

 これに対し、KDDIは「(報道関係者の)皆さんに集まっていただける限り、開催したい」(田中社長)、NTTドコモは「発表に値する、魅力的な製品やサービスの開発に精進したい」(加藤社長)として、発表会の開催を継続する意向を示している。

KDDIの発表会は「au WALLET」が時間の大半を占める

 このように発表会を中止するソフトバンクにほかのキャリアが追随する気配はないものの、2014年5月8日に開催されたKDDIの発表会は興味深い構成となった。発表会の冒頭でネットワークや端末について淡々とスライドを読み上げていた田中社長は、au WALLETの発表から自分の言葉で熱心に語り始め、発表会の大半の時間をau WALLETに割いたのだ(写真6)。

写真6●au WALLETを発表する田中氏
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写真7●ゲストとのトークセッションもau WALLETが話題となった
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 従来なら新端末の話が中心となるトークセッションにおいても、タレントの所ジョージさんとのやりとりもau WALLETが中心となった(写真7)。発表会後、KDDI広報は「実はCA(キャリアアグリゲーション)やWiMAX 2+といったネットワーク面での進化も大きく、グローバルモデルにこれらを搭載した点も見てほしかった」と漏らしている。多くの訴求ポイントがある中で、プレゼンテーションとしてはau WALLETにフォーカスする形になったようだ。