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大事なのは「顧客体験」を設計する力

 だが、Web系の技術者だけでなく、マーケッターや営業担当者といった“商売をする人”から見れば、そんな基幹系の技術者の考えこそが片腹痛いのだ。そのあたりことを、もう少し深掘りしてみよう。

 マーケッター、そしてWeb系の技術者にとっては、ビジネスを設計する力と言ったら「カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)を設計する力」なのだ。こんなことを言うと、おそらく基幹系の技術者は「プッ!」と吹き出すだろう。「スターバックスなどの事例を引き合いにした、ふわふわしたあの話ね」。そんなふうにシニカルに捉えているかもしれない。

 だが、カスタマー・エクスペリエンスの設計は、特にBtoC型のビジネスにおいては極めて重要なのだ。嘘だと思うのなら、BtoC企業のマーケッター、事業企画などを担当する人に聞いてみるとよい。聞いた人の全員が「カスタマー・エクペリエンスの設計が全ての前提」と答えてくれるだろう。

 カスタマー・エクスペリエンスの設計とは、小売りならば店舗や品ぞろえ、おもてなしといった諸々の「客と店の接点」の包括的な設計である。その設計をしっかり行うことで、「便利だ」「親切」「居心地が良い」といった単なる物売り以上の価値を客に提供することで他と差異化し、売り上げの極大化を図っていくわけだ。

 マーケッターなど商売をする人は、普段から売り上げを極大化するために、客にいかに関心を持ってもらうか、いかに喜んでもらうか、不快感を与えないようにするにはどうしたらよいか、つまりカスタマー・エクスペリエンスから発想する習慣が身についている。

 だから新ビジネスなどを企画する際にも、まずカスタマー・エクスペリエンスの設計から入るのを当然だと考える。業務プロセスの設計はその次の話である。