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はたして基幹系の技術者の心に響くか

 では、基幹系の技術者の場合はどうか。理屈で言えば、基幹系の技術者もカスタマー・エクスペリエンス設計の重要性を理解し、自分の弱点の克服に向けて努力すれば、Web系の技術者に取って代わられるという「暴論」が現実化する可能性は無い。だが、基幹系の技術者がIT部門という企業の“奥の院”に引き篭もっている限り、その本質を理解する機会は訪れそうもない。

 せいぜい「これからのシステム構築においては、カスタマー・エクスペリエンスも考慮しなければならない」といったピントの外れた認識しか持てないだろう。それどころか、「Web系の連中は見た目ばかりを気にして、業務プロセスの設計をおろそかにしている」といった時代遅れの批判をしているうちに、お払い箱になってしまうかもしれない。

 そんなわけなので、基幹系の技術者はできるだけ早く奥の院を出て、カスタマー・エクスペリエンス設計の重要性を実感できる現場に出たほうがよい。そうすれば、まだ巻き返せる。なんせWeb系の技術者には、大規模開発でのプロジェクトマネジメントのノウハウが無い。リーンスタートアップで始めたビジネスも事業規模が大きくなれば、それに見合うシステムが必要になるのだ。

 「うちはBtoB企業だし、社内向けシステムしか必要ないから」と思っている技術者がいたとしたら、それは間違いである。なぜスマホやタブレットを社内のシステムの端末として使いたいというニーズが、ユーザーの間で大きく広がったのかを考えてほしい。カスタマー・エクスペリエンスの重要性は、社内システムにおいても急速に高まっているのだ。

 さて、今回の「極言暴論」は基幹系の技術者の心に響いたであろうか。もし響いたとしたら、基幹系の技術者がWeb系の技術者に駆逐されるという予測は大外れとなるだろう。逆に全く響かなかったとしたら、その時はどう考えても、基幹系の技術者は駆逐されることになる。