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ところでスマートテレビはどうなったのか

 もともとCESやIFAに比べると、コンシューマー向けではないNABではスマートテレビに関する展示や議論は多くない。スマートテレビはSamsung Electronicsが引っ張り、他のテレビメーカーがそれに乗っかった形だからで、放送業界側はどちらかと言うと受け身だ。北米におけるスマートテレビと呼ばれるものの実態は、NetflixとHuluとYouTubeがテレビでも見られるということと限りなく同義でしかないことはほぼ明確なので、それぞれが4Kコンテンツを配信していくだろうことくらいしか話題はない。

 米国でも放送が4K化するシナリオが見えないので、このまま行くとスマートテレビのプレイヤーがそのまま4Kのプロバイダーになっていくかもしれない。そこには言われるほど高度な(スマートな)機能もサービスも存在しないし、必要とはされていないと見るべきだ。少なくともテレビ画面上にTwitterやFacebookを画面分割して表示するという使い方はやはりしない。一方のセカンドスクリーンについては米国でもはっきりとは見えていない。ひとつ言えることは、Netflix、Hulu、YouTubeはどれも元々PCにもスマホにもタブレットにも対応していることだけは事実である。

クラウドTV

 テレビにおけるクラウドは、業務用途だけではなく視聴者向けのサービスが注目されている。いくつかのテレビ局は、今回のNAB視察の目的に明確にクラウドTVを挙げている地上波局もあった。彼らにこうしたクラウドTVに関して話を聞いてみると、「4K自体はビジネスモデルに変化をもたらさないので、これには粛々と対応する。クラウドを利用するサービスに関しては、技術的にもビジネス的にも十分な検討を必要とすると考えている」ということだった。日本でも水面下ではクラウドTVに対する検討が進められているのである。形は違えども、リモート視聴ができるようななったこと、ラジオではRadikoのエリアフリーが始まったことなど、じわじわと動いている。

 そしてこうした動向に最も影響を与えると思われるクラウドTV、クラウドDVRサービスのAEREOに対する米国最高裁の裁定がこの、6月末には出るようだ。これが今後のテレビサービスやテレビビジネスに与える影響は極めて大きいだろう。