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金型設計製作、成型サイクル、量産立ち上げで効果

 積層複合加工を適用した効果は以下の通りだ。まず、同工法によって複雑な形状を一体で造れるようになることから、複数の部品に分割せずに済み、放電加工も不要とできること。これにより、型設計や電極設計、CAMによる加工データ作成、加工のそれぞれの工程において、簡略化や省略が可能となり、ある事例では従来工法に比べて62%の期間短縮を果たせたという。

 第2に、新工法によって形状自由度を高められることから、金型内に設ける水を通すための穴(水管)を、従来と違って、2次元的なものではなく3次元的なもの(3次元水管)にできること。それにより、冷やしたいところを効率的に冷やせるようになるため、型温を均一にしたり、金型の冷却性能を向上したりでき、成型サイクル(金型に熱で溶融した樹脂を射出して冷えるのを待って成型品を取り出すというサイクル)の短縮が可能になる。同社では、成型サイクルを30%短縮できた例もあるという。

 そして、もう1つが、金型による成型品質を改善できること。具体的には、(1)前述の3次元水管による型温の均一化効果によって成型時の金型のソリや変形を低減できる、(2)粉末焼結品がポーラス(多孔質)構造をとることに起因するガス抜き効果で、金型への樹脂の充填性を向上できる、というメリットだ。これにより、量産に向けて成型品質を安定化させなければならない量産立ち上げの期間を短縮することが可能になったという。