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 一方、システム構築の場合は、監理と管理をベンダーが実施している。プロジェクトマネジャー(PM)が監理者兼管理者となる。PMだけでなく配下のプロジェクトリーダー(PL)が監理および管理の役割を分担する場合も多いが、しょせん一つの組織であり、独立しているとは言い難い。

 PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)などのチェック機構を置く場合もある。ただしそれでも、進捗やバグ数など管理的な要素を数値化して指摘するだけの場合が多い。

 問題は、チェック機構の運用にある。社内では現場とPMOで激論を戦わせたとしても、ユーザーに報告するときにはオブラートにつつんだ表現で説明していないだろうか。ユーザーから見ると「PMOという人たちは数値と正論はおっしゃるが、我が社のプロジェクトに本当に貢献しているのだろうか?」と疑問符が付くケースが多い。

 もちろん、ITと建築は実際の仕事が大きく異なる。IT業界に設計事務所的な機能をそのまま導入すべきというのは暴論だろう。だが、開発者とユーザーの間を取り持つ役割を果たす人や会社、組織はもっと出てきてよいのではないだろうか。

永井 昭弘(ながい あきひろ)
イントリーグ代表取締役社長兼CEO、NPO法人全国異業種グループネットワークフォーラム(INF)副理事長。日本IBMの金融担当SEを経て、ベンチャー系ITコンサルのイントリーグに参画、96年社長に就任。多数のIT案件のコーディネーションおよびコンサルティング、RFP作成支援などを手掛ける。著書に「RFP&提案書完全マニュアル」「事例で学ぶRFP作成術 実践マニュアル」(共に日経BP社)など