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 日本情報システム・ユーザー協会は毎年、東証1部上場企業とそれに準じる企業の計4000社を対象にIT投資・活用動向を調査している。最新の調査「企業IT動向調査2014」の報告書から、ユーザー企業におけるIT投資・活用の最新動向をご紹介する。

 第1回は「ビッグデータ」、第2回は「クラウド」、第3回は「システム開発体制(内製か外注か)」に焦点を当てた。今回は「システム開発の予算/工期/品質」の実態を紹介する。なお、調査概要は本特集の目次に掲載した。

大規模開発の43.9%が予算超過

 企業IT動向調査では、システム開発の実態を把握するために、予算と工期の遵守状況、品質の満足度について定点観測している。前回調査(2012年度)では調査項目から外したが、今回調査(2013年度)から復活させた。過去10年の経年変化を見ると、予算/工期の遵守状況や品質の満足度は緩やかな改善傾向にある。だが、ドラスティックな変化はなく、今後も継続的な改善活動が不可欠であることが分かった。

 まずは予算の遵守状況から見てみよう。調査では、システムの開発規模を100人月未満、100人月以上500人月未満、500人月以上の三つに分け、それぞれについて遵守状況を尋ねた(図1)。

図1●システム開発規模別 予算の遵守状況
図1●システム開発規模別 予算の遵守状況
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 当然のことながら、全体のコントロールが難しい大規模プロジェクトほど、予算の遵守状況は悪くなる。500人月以上のシステム開発では、4割以上(43.9%)の企業が「予定より超過」したと回答した(グラフの右側、緑色の部分)。「予定通り完了」は18.0%、「ある程度は予定通り完了」は38.1%だった。

 ここ5年間は「予定より超過」の割合が減少傾向にあったが、今回の調査では一転して増加した。あくまでも推測の範囲だが、システムの複雑化と要求の高度化により難易度の高いプロジェクトが増えていることや、経営環境の変化が激しくプロジェクトの途中で要件が変わるケースが増えていることなどが、予算超過の背景にあるのではないかと考えられる。

 なお、コストが「予定より超過」した割合は、100人以上500人月未満のシステム開発では26.4%、100人月未満では14.3%だった。