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 「友だちが多い子はケアが忙しいから大変そう」。あるイベントで高校生から聞いた言葉だ。子どもたちには、友だち関係をすべてSNS上でメンテナンスしようとし、実際にそうしている子が多い。先の発言をした高校生自身は、LINEと距離を置いてうまく付き合えているようだった。

 高校生のネット依存傾向の調査などに携わった東京大学情報学科橋元良明教授によると、「やりたいこと、やらねばならないことが分かっている子どもは(スマートフォンなどに)はまりすぎることはなく、LINEなどとも距離を置いて付き合えている」という。やりたいことが見つからない子どもが、自分のよりどころを求めてスマートフォンやネットの利用にはまってしまうのだ。

 ただSNSだけをやめさせようとしてもうまくはいかない。その向こうに人間関係があるからだ。パスワードの共有も、友達や恋人などとの関係から生まれる不安を解消し安心を獲得したいから、自身がこうした手段を選んでいるのだ。

 人間関係が絡む問題だけに難しい問題だが、少なくともパスワード共有は行き過ぎた行為であり、相手との関係が変容したときにはリスクになりかねないことは子どもたちに理解させる必要があるだろう。

高橋 暁子(たかはし あきこ)IT ジャーナリスト、情報リテラシーアドバイザー。SNSなどのウェブサービス、子どもの携帯電話利用をはじめとした情報モラル教育、電子書籍などに詳しい。元小学校教員であり、昨今の教育問題にも精通している。本や記事の執筆のほか、携帯電話やSNSなどをテーマに講演、セミナー、監修、アドバイザーなども手がける。近著は『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』(日本実業出版社刊)、『ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条』(共著、 マイナビ)。