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リアルタイムで推奨を変える

 2つのスキルを組み合わせて新たな事業を軌道に乗せた好例が、2012年に開始したアルバイトなどの人材募集サイト「みんなの求人板」。営業担当者を置かず、受注や広告出稿などをすべてネットで完結することでコストを削減。地方の中小企業などを取り込む戦略事業だ。

●データサイエンティストの支援を得てサイト改善、マッチング率向上
●データサイエンティストの支援を得てサイト改善、マッチング率向上
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「新事業立ち上げにはビッグデータグループの支援が役立つ」と話すリクルートジョブズの板澤一樹グループマネジャー

 責任者を務めるリクルートジョブズ メディアプロデュース統括部メディア集客グループの板澤一樹グループマネジャーは、サイトに来るユーザーが、短時間で多くの求人情報に触れられる環境を作ることで、成約や問い合わせを増やそうと考えた。サポート役を務めた西郷氏が提案したのが、リアルタイムレコメンデーションという手法だ。

 従来は、ユーザーの閲覧履歴を夜間バッチで集計して興味のありそうな求人のおすすめ情報を生成し、次回アクセスした時に表示していた。このサイクルを短縮し、ユーザーがアクセスしている間に次々とレコメンデーションを表示して、企業への問い合わせ率を上げる。

 大規模分散処理データベース「HBase」に詳しいエンジニアが西郷氏らと一緒に動くことで、リアルタイムレコメンデーションを実現。「導入後、広告を出稿した企業への問い合わせ率が20%も上がった」と板澤グループマネジャーは顔をほころばせる。今後はほかの事業にも横展開する。

 新技術の探索を継続するため、リクルートテクノロジーズではR&D(研究開発)予算を確保し、その活用をエンジニアに義務付ける。またエンジニアの専門職にマネジャーと同等の報酬を与えることで、技術力を磨く士気を高める。「分社化で独自の人事評価体系を確立した」(米谷CTO)。

 パワフルな営業集団から、最新技術を駆使する頭脳軍団に変貌を遂げつつあるリクルート。ネットを主戦場に市場を変える挑戦を続ける。