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 Bluetooth Low Energy(BLE)を用いたビーコンに、iPhoneを近づけると位置や情報などを取得できる「iBeacon」。近頃にわかに注目が集まっている。iBeaconが注目される理由と、アプリ開発者に与える可能性について考えてみたい。

iOSに備わる近距離無線通信機能

 アップルは昨年9月にiPhoneやiPad向けOS「iOS 7」の提供を開始した際、「iBeacon」という機能を追加した。iBeaconはBLEを用いた近距離無線通信の仕組みで、BLEの電波を発するBeacon(ビーコン)と呼ばれる機器の周辺にiOSデバイスを近づけると、ビーコンが発する電波を受信して位置を取得したり情報を取得したりできる。

写真1●「ワイヤレスジャパン2014」のKDDI講演資料より
写真1●「ワイヤレスジャパン2014」のKDDI講演資料より
写真1●「ワイヤレスジャパン2014」のKDDI講演資料より
国土交通省などが、5月に渋谷駅構内や地下街で、ビーコンを用いて地下でのナビゲーションをするトライアルを実施
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 近距離無線通信の仕組みはNFCなど他にもいくつか存在する。そうした中にあってiBeaconが注目される大きな理由の一つは、建物内で正確な位置の測定ができることだ。

 建物内ではGPSの電波を受信できないことから、従来正確な位置情報を得るのは難しく、例えば「ショッピングモール内のあるテナントに近づいたら、スマートフォンにクーポンを配信する」というO2O(Online to Offline)の仕掛けを実現するのは難しかった。だがiBeaconであれば、屋内にビーコンを設置するだけで、現在どの場所にいるのかが正確に分かるようになる。

 もう一つの理由は、BLEという汎用の仕組みを用いていることだ。先に示したO2Oの事例を実現する場合、従来であれば人に聞こえない音波やWi-Fiを用いるケースが多く、環境の準備に時間とコストがかかっていた。だがiBeaconの場合、汎用のビーコンデバイスを購入して設置するだけで、そうしたシステムを構築できる。低コスト、かつ手軽に利用できるメリットがある。

 しかもBLEは消費電力が少ないことから、乾電池やボタン電池などで、ビーコンを数カ月から1年以上動作させることができるといわれている。それゆえ、こまめな充電など、電源に関するメンテナンスが不要な点も注目されている大きな要因の一つである。