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業務やアプリを知らないSEの弱点

 日本のIT企業のSEには、OSやネットワークやプログラミングなどITのスキルはあっても、顧客の業務やアプリケーションを知らない人が実に多い。筆者はそんなSEを数多く見てきた。

 だが、彼ら彼女らは自分で気がついていないかもしれないが、大きな弱点がある。その主なものは次の4点である。それについて次に説明する。

1. アプリケーション開発の見積もりを間違えやすい

 顧客は、システムを作る時にIT企業にRFP(提案依頼書)などを提示し、提案を要請する。そしてIT企業の営業やSEは、顧客からそのシステムについて説明を聞く。

 そして、彼ら彼女らはそれを自分たちなりに理解し、不明な点や疑問点を顧客に質問・確認をする。顧客はそれに答える。そしてSEが開発に要する人月を見積もる。見積もるプロセスは、おおよそこんな具合である。

 そんな時、顧客は営業やSEは業界や業務を知っているものと思って、業務用語でRFPなどを説明する。彼ら彼女らの質問にも答える。学校のように1から10までは説明しない。そして業界で常識的なことや当たり前のことは、質問しないと話さない。

 すると営業やSEは、業界や業務が分からないと顧客が話されたことしか分からない。そして往々にして、お客様の考えていることや、業務やアプリケーションの理解不足になる。業界用語などで分からない点があっても、下手な質問をすると受注できないと思って、突っ込んで聞けない。

 そして結局は、自分たちが理解した範囲で開発人月を見積もることになる。すると往々にして、要件漏れなどを含んだ間違えた見積もりになる。そして仮に受注できたとしても、システム開発時にもめる。そんな例は山ほどある。

 だが、業界や業務に強い営業やSEだと、業務やアプリケーションのそれなりの理解力があり、疑問点なども的を射た質問ができる。そして勘違いや聞き間違いを極力なくすよう気をつける。おかしいと思えば「こんなケースはどうなるのでしょうか」とか、業務の例外事項なども質問する。そして彼ら彼女らは漏れの少ない正確な見積もりを行う。

 このように、アプリケーション開発の見積もりはアプリケーションの理解力と質問力が重要である。あえて言えば、業界や業務を知らないSEは見積もる資格はない。これはERP(統合基幹業務システム)などアプリケーションソフトも同じである。