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 「見る」の「見」を使った失敗を表す言葉には、どんなものがあるでしょう。「見間違え」「見忘れ」「見落とし」「見逃し」・・・。今回は、このなかの「見逃し」について考えてみましょう。

 「見逃し」とはどのような状態を指すのでしょうか。私のいつも使っている国語辞典」によると、

 「見逃し」とは、

  1. 気がつかないで見落とす
  2. 見損なう
  3. 見過ごす、多めに見る

といったように、様々な意味があるようです。

 実は、一つの言葉にもかかわらず、様々な意味があることは、ヒューマンエラー解析で最もやっかいなことなのです。機械の場合は、このようなことはあってもかなり少なく、むしろ表現に困る場合が多いものです。

 本題に戻しましょう。例えば、1の「気がつかないで、見落とす」といった意味について、この「見逃し」を使って分析した場合、次の「なぜ」は「気づけなかった」とし、その後には物理的(障害物や環境など)な要因を持ってくるか、または「気づかなかった」とし、ルール・知識がなかったなどミスした人の要因などがきます。

 「『見逃し』を感知できなかった」を、「見逃した」と並列に並べておけば、その後に、ミスを感知するための管理の仕方の不備を要因として入れ込むことができます。

 ここで、くれぐれも注意しなければならなことがあります。「見逃した」を使う場合、問題のあったところまで、人が見に行っていたという事実がなければなりません。見に行かなかった場合には、この言葉を使ってはならないということです。

 人の動作、対応の仕方などを取り上げる場合には、くれぐれもその意味を再度確認してから使うべきです。私自身、いつも辞書を手元に置きながら、「なぜ」を考えています。これはホントです。

まとめ
 普段、よく使っているからといって、その言葉の意味を深く理解しているとは限らない。なぜなぜ分析では、日本語の持つ意味を正確に把握しておかないと、トラブルの要因にたどりつけない。なぜなぜ分析では、日本語の辞書を片手に進めることが賢明だ。