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 私たちは日ごろ、あまり意識せずに言葉を使って物事を考えたり、コミュニケーションしたりしています。ただ、よく考えてみると普段使っている言葉には、先入観の入った言葉がかなり使われているようです。

 例えば、昨日皆さんがある場所に置いたはずの大切なモノが、その場所になかったとします。昨日、大切なモノを置いた後の皆さんの行動については、まだ検証していないものとします。

 こうした場合、皆さんならその事象をどのように捉えるでしょうか?

 「なくなってしまった」でしょうか、それとも「なかった」でしょうか。

 さらに質問です。どちらの捉え方が、事実を捉えた表現だと思いますか。

 「なかった」。これが答えです。

 「なくなってしまった」というのは、その言葉自体に先入観が入ってしまっています。どんな先入観かといえば、例えば「誰かが持っていってしまった」とか「自分の身の回りから離れたところに移されてしまった」といったようなことです。

 「なぜなぜ分析」に取り組む場合、分析の課題として取り上げる事象はそんな先入観がない表現で捉えなければなりません。先入観が入った表現を用いると、どうしてもその方向に次の「なぜ」が誘導されてしまいます。

 そうすると、その先は真の犯人にたどり着くことができなくなってしまうかもしれません。「なぜなぜ分析」に入る前に、事象を捉えた表現が、事実を適切に表現したものかどうかをまず確認してから取り組みましょう。

まとめ
 なぜなぜ分析で大事なことは、事実を捉えること。そしてその事実を、日本語で正しく表現することである。「~してしまった」には、残念さがにじみ出ている。このように先入観、感情、感想がこもった言葉を、分析過程で使わないよう細心の注意を払って、事象を列挙・記述することが肝要だ。