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 無料通話・チャットアプリの「LINE」を開発・提供するLINEと米セールスフォース・ドットコムは2014年6月10日、業務提携を発表した(関連記事:Salesforce.comとLINEが提携、顧客行動履歴に応じたメッセージ配信)。具体的にはセールスフォースのCRM(顧客関係管理)基盤ソフト「Salesforce ExactTarget Marketing Cloud」と、「LINEビジネスコネクト」が提携する。

 LINEビジネスコネクトとは、企業システムからLINEのメッセージ送信機能にアクセスできる「ビジネスコネクトAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)」を提供するもので(関連記事:LINEが業務システムと連携可能に)、例えばCRMの顧客情報を基に、特定ユーザーにLINEのメッセージを送信できる。ただこの場合、企業はそのための開発が必要になる。そこでこの負担を軽減し、企業がLINEビジネスコネクトを導入しやすくするため、LINEはセールスフォースと提携したわけだ。

 セールスフォースにとってもLINEとの提携は魅力。昨日の発表時点で国内のLINEの登録者は5100万人を超えるという。セールスフォースが国内で新たに展開するExactTarget Marketing Cloudの導入にも弾みがつく。実はセールスフォースとLINEの提携の伏線は既に昨年の段階から見られた。

 昨年11月に米サンフランシスコで開催されたセールスフォースのプライベートイベント「Dreamforce 2013」で同社のマーク・ベニオフ会長兼CEO(最高経営責任者)は、「Salesforce 1」(関連記事:セールスフォースがプラットフォーム一新)について「LINEから学んだ」と語っている(関連記事:「LINEから学んだ」、セールスフォースのベニオフCEO)。

 一体何を「学んだ」のか。一つはモバイル環境で使いやすいユーザーインタフェースをLINEは実現していること。もう一つは無料通話・チャットアプリに端を発するLINEがゲームやマーケティング用途など様々なサービスのプラットフォームに進化している点だ。Salesforce 1は元々社内SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)であった「Chatter」をモバイル環境におけるサービスプラットフォームに進化させたものであり、LINEの発展過程に似ている。

 LINEを説明する際、いまだその枕詞としてこの記事の先頭のように「無料通話・チャットアプリ」もしくはそれに類する用語を使うことが多い。ただ、その実体は「コミュニケーションプラットフォーム」ともいうべき存在に進化しており、「無料通話・チャットアプリ」という表現はややもすればLINEの位置付けを矮小化してしまう。セールスフォースとの提携は、ビジネスの側面からもLINEのプラットフォーム化を再確認できたニュースだった。