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 なぜなぜ分析によって根本原因を見いだし、再発防止策を導き出せたとしても、それを実行しなければ成果は得られない。そこで宇部情報システムの登根さんらのチームは2013年12月、なぜなぜ分析から導いた対策を実行したかどうかを確実に捕捉するための仕組みを整えた。インシデント管理の業務手順に、なぜなぜ分析を組み込んだのである。

対策を実行したかどうかを捕捉

 具体的には、以下のような手順で進める(図3)。まず、手順1でシステム障害などの重要なインシデントごとに管理用のチケットを発行し、解決すべき「問題」として扱う。

図3●インシデント管理の手順になぜなぜ分析を組み込む
図3●インシデント管理の手順になぜなぜ分析を組み込む
分析によって導き出した再発防止策を実行したかどうかを捕捉できるようにし、対策の実効性を高めることを目指している
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 続いて手順2に移り、専用ツールを使ってなぜなぜ分析を実施する。さらに手順3として、分析結果を問題のチケットにひも付け、対策の実行状況を捕捉する。これにより、解決すべき問題のチケットに対し、なぜなぜ分析で導いた対策を実行したかどうかを確認できる。

 登根さんらのチームはこの仕組みを整備する以前も、なぜなぜ分析に取り組んでいた。その際、すべてのインシデントをなぜなぜ分析の対象としていたので、分析を担当するメンバーの作業負荷が大きくなってしまっていた。また、せっかくなぜなぜ分析で再発防止策を導き出しても、問題管理のチケットで状況を捕捉していないため、対策が実行されないままになるケースもあった。

 インシデント管理の業務手順になぜなぜ分析を組み込んだことで、これらの不備を解消した。この仕組みは既に現場に定着している。2013年12月以降は、毎月5件以上の問題に対して、なぜなぜ分析を実施しているという。「今後はインシデントを大幅に削減できる」と登根氏は自信を見せる。